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遺品整理における「適材適所」とは|骨董品・美術品の買取は専門業者に任せるべき理由

遺品整理における「適材適所」とは|骨董品・美術品の買取は専門業者に任せるべき理由

ご家族を亡くされた後の遺品整理は、心身ともに大きな負担がかかる作業です。相続手続きや期限のプレッシャーから、「不用品の買取も同時に行います」という遺品整理業者に一括で依頼し、少しでも早く終わらせたいと考えるのは自然な心理です。

長谷川雅人

しかし、20年以上にわたり美術品・骨董品の現場実務に携わり、業者間オークションでの売買も行ってきた私の経験から申し上げると、美術品の査定を「片付けの延長」として一任してしまうことは、経済的リスクを伴う可能性があります。

本記事では、遺品整理業者と美術品専門業者の構造的な違いを客観的に解説し、大切な品を適正な価値で次世代へ繋ぐための安全な手順をお伝えします。

目次

現場で起きている数十万円の損失と「初荷(うぶに)」の価値

なぜ、実家から出てくる古い品物にこだわる必要があるのか。

それは業者間オークションの視点から見ると、何十年も蔵や押し入れに眠っていた品は「初荷(うぶに)」と呼ばれ、市場に出回っていない希少性や、コレクターの新発見を求める心理から、業界内で回遊して目垢のついた品物よりも、市場において条件が揃えば高く評価されやすい傾向があるからです。

しかし現実には、「古いだけで価値はない」「汚れているから捨ててしまおう」という思い込みにより、この初荷の価値が潰されています。

事例1:昭和初期の京焼茶碗が35万円に

遺品整理の現場から、片付け業者経由で私の元へ査定依頼が持ち込まれたケースです。整理業者が「数千円の食器」として引き取ろうとしていた茶道具一式の中に、昭和初期の京焼の名工による茶碗が混ざっていました。専門市場のデータと照らし合わせた結果、最終的に35万円での買取となりました。

事例2:「箱」を捨ててしまったことによる価値の暴落

ご遺族が「少しでも綺麗にしよう」と、汚れていた木箱を捨てて中身の陶器だけを残してしまった事例です。例えば中国の古い青磁鉢などの場合、当時の箱や来歴を示す資料(手紙や包み布など)がないと、真贋の判断に時間を要し、再販時のリスクが高まるため、本来数十万円の価値があるものでも数万円単位へと評価が大幅に下がってしまいます。

骨董品を買取に出す前に知るべき「構造的な違い」

遺品整理業者が不誠実なわけではありません。両者はビジネスの目的が根本的に異なるのです。

読者の皆様は、以下の『目的の違い』を押さえておくと、業者選びの判断が明確になります。

遺品整理業者の目的 =「空間処理(コスト最適化)」

家財を迅速に分別し、空間を綺麗に空けることが主目的です。買取業務も行いますが、あくまで作業費を相殺するための副次的なサービスです。一般的には、専業の美術品業者ほどの専門市場アクセスは持たないケースが多いのが実情です。

美術品専門業者の目的 =「市場流通(価値最大化)」

品物の歴史的・美術的価値を算定し、国内外のオークションや富裕層コレクターなど、最も高く売れる再販ルートへ流通させることが主目的です。骨董品や美術品の査定においては、この「再販市場へのアクセスの太さ」が買取額に直結します。

骨董品買取を成功させる「3つの評価指標」と厳選業者

遺品の整理を始める際は、「片付け(空間処理)」を依頼する前に、まず「査定(市場流通)」の専門家を呼ぶという順番を守ることが最大の自己防衛となります。

また、専門業者へ依頼する際も、「どこでも同じ」ではありません。私は業者間オークションで長年売買してきた経験から導き出した、以下の「3つの指標」で評価・比較することを強く推奨しています。

  1. 市場データへのアクセス: 最新のオークション相場に基づいた客観的な査定ができるか
  2. 再販ルートの多様性: 国内外や特定のコレクターへの太い販路を持っているか
  3. 担当者の専門経歴: 骨董品の「目利き」ができる経験豊富な担当者が在籍しているか

この3つの指標に基づき、それぞれ異なる強みを持つ業者を3社紹介します。以下の比較表を参考に、ご自身の状況に合わせて検討してください。

買取業者 評価比較表

業者名①市場データへのアクセス②再販ルートの多様性③担当者の専門経歴各社の主な強み・特徴
古美術永澤コレクター視点の確かな目利きと、文化保存を重視した丁寧な査定
株式会社漠膨大なデータと幅広い販路に基づく、客観的で透明性の高い価格算出
ウリエル専門査定に加え、不用品回収・家財の片付けまで一貫して依頼できる利便性

1. 理念型(文化保存志向):古美術永澤

代表自身がコレクターであり、品物の文化的価値を次世代へ繋ぐ理念を持っています。3つの指標すべてにおいて高い水準を満たしており、国内外の業者間ネットワークを通じた豊富な販路を持ち特にデータだけでは測れない「目利き」の力に長けています。故人が大切にしていた収集品の価値を、背景まで含めて正しく評価してほしいご遺族に最適です。

古美術永澤の公式サイトを見る

2. データ型(市場相場重視):株式会社漠

過去の膨大なデータと国内外の幅広い再販ルートを駆使し、極めて客観的かつ適正な価格を算出することに長けています。ジャンルが多岐にわたる品を、最新の市場相場という明確な根拠に基づいて透明性高く売却したい場合におすすめです。

株式会社漠の公式サイトを見る

3. ワンストップ型(時間効率重視):ウリエル

特化型の専門店と比較すると美術品査定の深度には差が出る可能性がありますが、運営元が不用品回収業も行っているため、骨董品の査定から家財全体の片付けまでを一貫して依頼できます。「専門業者と整理業者を別々に呼ぶ時間的余裕がない」という現実的な課題を解決する手段として非常に有効です。

ウリエルの公式サイトを見る

【具体的なアクションの指示】

解体日が決まる前に、あるいは整理業者へ正式な見積もりを取る前に、まずは上記のような業者が提供している「スマホからの写真査定(LINE査定など)」を利用してください。

その際、「作品の全体像」に加えて、「箱書き(桐箱の墨書き)」や「裏面の銘(サインや印)」も撮影して送ると、より正確な判断が可能になります。費用はかからないため、家財を動かす前のリスクのない確認手段として機能します。

まとめ:順番を間違えると損失が出る

遺品整理における美術品の取り扱いは、以下の三段構造で捉えてください。

  1. 遺品整理業者の役割は「空間処理」
  2. 美術品査定業者の役割は「市場流通」
  3. 役割が違う以上、片付けの前に専門査定を挟まないと想定外の経済的損失につながることもあります
長谷川雅人

遺品整理は期限が迫る中で行われることが多く、焦りが生じるのも無理はありません。しかし、専門家の目を通さずに慌てて処分を進めることは、市場価値の高い「初荷」を結果的に失ってしまう可能性があります。

まずは客観的な価値を明らかにすることが、最も後悔のない遺品整理への近道です。


具体的なジャンルごとの見分け方や相場を知り、さらに自己防衛の知識を深めたい方は、以下の記事も参考にしてください。

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この記事を書いた人

【経歴】
大学で歴史や哲学を専攻
美術品・骨董品・古美術の業界で20年

【実務】
・一般顧客からの買取(主に出張買取や店舗での買取)
・美術品時価評価書の作成
・業者オークションでの仕入
・ギャラリーでの販売
・小規模の買取店などに美術品の鑑定方法や査定方法の指導
・買取業者・整理業者に対するLINEを使ったリアルタイム査定

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