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【ジャンル別に解説】LINE査定やメール査定で損をしない骨董品・美術品の撮影方法

  • リスト画像査定を依頼したら画像では分からないと言われた。
  • リスト骨董品の画像査定を依頼したいが、どこを撮影すれば良いか分からない。
  • 画像査定で何度も指示され、再撮影が大変だった。

こんな経験や悩みはありませんか?

LINEやメールでの画像査定は、家にいながら買取業者の査定を受けられる便利なサービスです。その一方で、画像の撮影方法や撮影箇所によっては正確な査定を受けられないこともあります。

この記事で紹介する骨董品の上手な撮影方法を実践すれば、撮り直しはなくなり、画像での査定がスムーズに進みます。

私自身がLINEやメールで受け付けた画像で査定をこなしている立場です。そのため、年間数万件という美術品買取の経験のなかで、どこをどう撮影したら正確に金額を出せるか分かっています。

この記事では、ジャンルごとの撮影ポイントを解説します。そのポイントに沿って撮影すれば、撮り直しなど余計な手間もかからず、金額でも損をしない画像査定を依頼できるでしょう。

目次

茶道具・陶磁器の撮影ポイント

茶道具・陶磁器の撮影方法を解説します。

必須の撮影箇所7つ
  1. 作品本体の全体
  2. 作品にある銘や陶印
  3. 箱の全体
  4. 箱書
  5. 書付
  6. 状態が分かる画像
  7. 付属の資料

作品本体の全体

作品の全体的な印象から出来栄え等を判断します。
また作者と絵付や特徴的な造形を照らし合わせながら総合的な評価をします。
できれば2~3方向から撮影するのが望ましいです。また可能であればサイズを測るか、サイズの目安になるものと一緒に撮影します。

作品にある銘や陶印

作者の同定のために必要です。また銘や印によって制作時期が分かるため金額にも影響する場合があり、重要な箇所です。できればはっきりと分かるように全体が分かるような画像とアップの画像があると査定しやすくなります。

箱の全体

どのような箱に入っているのかは金額を判断する重要なポイントです。
二重箱なのか、風呂敷にくるまれているのか…など、箱の周辺情報はすべて確認したいところです。

箱書

作者名、作品様式、技法、種類などを知る重要な情報です。
箱書の情報は、その他にも箱と中身があっているかどうかを判断するときにも参照します。

書付

特に茶道具の場合には書付は重要な評価ポイントとなります。
とくに表千家や裏千家の家元の書付となればかなりの評価となります。
箱の蓋の裏面の画像は必要です。

状態が分かる画像

状態に難点がある場合はそこも隠さず撮影すべきです。

付属の資料

来歴を示すような資料、購入時の領収書、個展の図録など、付属する資料がある場合はその情報も評価の対象となる場合があります。

掛軸の撮影ポイント

必須の撮影箇所7つ
  1. 作品の全体
  2. 作品にある落款・印章
  3. 箱の全体
  4. 箱書
  5. 極め書
  6. 状態が分かる画像
  7. 付属の資料

作品の全体・細部

作品全体を見ることで、全体から受ける印象や構図などを判断します。
細部をみることで作者の描き込み、力量を判断し、出来栄えや真贋の判断をします。
この際に作品だけでなく、表具がどのようになっているか、とくに軸先はどのような素材かなども重要です。また、サイズを測るか、サイズの目安になるものを一緒に撮影します。サイズは表具全体ではなく、作品自体のサイズを測ります。

作品にある落款・印章

作者名を特定することに加え、落款や印章に不自然な点はないかなど、真贋の判断をします。

箱の全体

どのような箱なのかを確認します。特に日本画の場合はどのような箱に納めらているかは重要なポイントになります。二重箱なのか、時代のある箱なのか、近年制作された箱なのかなど、作者の生没年とも照らしつつ箱自体を検討します。

箱書

特に日本画の場合、箱書は重要です。共箱の場合は蓋の表面に題名が書かれています。蓋の内側の面には作者の落款・印章があります。
鑑題箱(識箱)という作者ではない第三者による箱書の場合には、作者名と題名が蓋の表面に書かれ、蓋の内側に鑑定人の落款・印章があります。

この箱書によって作者を特定したり、来歴を確認したりするので、査定の重要なポイントです。

極め書(札)

箱以外にも第三者による鑑定結果が記された資料が箱のなかにおさめられている場合があります。その資料も作者や鑑定している人物によっては重要な箇所となります。

状態が分かる画像

掛軸の場合は、絵具の剥落、シミ、焼け、虫食い、破れなどさまざまな劣化が考えられます。状態に難点がある場合はそこも隠さず撮影すべきです。

付属の資料

例えば展覧会に出品したことがある、図録に掲載されている作品である、著名なオークションで落札した、百貨店で購入した…など、入手経路や展示歴などが分かる資料があると金額にも反映されることがあります。

絵画・版画の撮影ポイント

必須の撮影箇所4つ
  1. 作品の全体・細部
  2. 作品にあるサイン(版画の場合はエディションナンバーも)
  3. 状態が分かる画像
  4. 付属の資料

作品の全体・細部

作品全体の画像から、主題や技法、構図、細部の表現などを評価します。
絵画であれば細部の表現や絵具の使用方法などから作者の表現方法を検討します。
額装もどのような額になっているか、裏面はどのようになっているかなど周辺の情報も必要です。
額の裏面が外せるようであれば、キャンバス裏も重要です。作者のサインや制作年などが記されている場合があるからです。
サイズを測るか、面倒であれば目安になるような比較対象物と一緒に撮影しましょう。メジャーと一緒に撮影しても良いです。

作品にあるサイン(版画の場合はエディションナンバー)

絵画(日本画、油彩、水彩、デッサン)の場合は、作品表面にサインがあるかを確認します。漢字、ローマ字、印章のみ…など、作家によって様々なサインがあります。また同じ作家でも制作時期によってサインが変わることもあるので、サインは重要な撮影ポイントです。また、額の裏面が外せるようであれば、キャンバス裏も重要です。作者のサインや制作年などが記されている場合があるからです。

版画の場合はサイン部分とエディションナンバーの部分が必要です。直筆のサインかどうか、エディションナンバーから何部刷った版画なのかなどを確認します。

状態が分かる画像

油彩画の場合であれば、絵具のヒビや剥落があるかどうかを撮影します。版画の場合であれば、シミ、焼け、シートの波打などのように状態が分かる画像は必要です。

付属の資料

作品に付属物があればそれも撮影します。例えば鑑定証がある場合は必須です。
また図録に掲載されている場合は、どんな図録のどこに載っているのかも重要な情報になるので図録のタイトル、出版年、掲載ページの画像があると良いです。

彫刻の撮影ポイント

必須の撮影箇所5つ
  1. 作品全体と細部
  2. 作品にある銘(サイン)、鋳造所印
  3. 箱と箱書
  4. 状態が分かる画像
  5. 付属の資料

作品全体と細部

どのような作品なのか、素材は何か、日本の彫刻か、西洋の彫刻かなど、全体的な印象から作品を判断します。細部の画像から表現方法、出来栄えなどを確認します。サイズも重要なので、目安になるものやメジャーと一緒に撮影しましょう。

作品にある銘(サイン)、鋳造所印

作品全体とあわせて、作者のサインの部分、もしあればタイトル部分の画像も重要です。
西洋のブロンズ彫刻の場合は、鋳造所印というマークがあるかもしれないので、見つけられればその画像も金額に関わる重要な箇所なので撮影必須です。

箱と箱書

とくに日本の彫刻作品の場合には、共箱があります。その箱の全体や箱書を撮影します。そこから作者、タイトルなどを確認し、作品自体と照合しながら、評価を判断します。

状態が分かる画像

ブロンズでも劣化がみられる場合があり、木彫彫刻は経年で痛みやすいので、状態が確認できる画像を撮影しましょう。

付属の資料

鑑定証があればその画像は必須です。それ以外の手紙や持ち主のメモなども専門家がみて評価対象になるかどうかも含めて判断するので、撮影しましょう。

食器・ガラス作品の撮影ポイント

必須の撮影箇所4つ
  1. 作品の全体と細部
  2. バックスタンプ、サイン、刻印など
  3. 状態が分かる画像

作品の全体と細部

全体の画像からどのような食器なのか、形状などを把握し、全体の印象や用途などを特定します。絵付などの装飾が分かるように細部の画像もあるとより分かりやすいです。
目安になる比較対象と一緒に撮影すると大きさが分かります。メジャーと並べて撮影しても良いです。

バックスタンプ、サイン、刻印など

食器の場合はバックスタンプは必須です。ブランド(メーカー)を特定したり、バックスタンプによって制作年代を特定したりするために、確認が必要です。また、このバックスタンプにスクラッチが入っている場合は金額に影響してくるので重要です。
ガラス製品の場合は刻印が入っている場合があり、分かりにくいこともあります。角度を変えるなどして、刻印がどこにあるのかを探して撮影します。

箱がある場合は、箱の画像も必要です。ブランドのロゴの入った箱におさめられている場合はプラスの評価となる場合もあります。

状態が分かる画像

食器の場合は実用性の重要性がかなりあるため、欠けや割れなどは致命的です。また金彩の使用されている作品の場合、そのスレ、剥げはかなりのマイナスポイントになります。状態が分かるような画像は他のジャンル以上に必要になります。

刀剣類の撮影ポイント

必須の撮影箇所7つ
  1. 刀身全体と細部
  2. 鞘書
  3. 状態が分かる画像
  4. 登録証
  5. 認定書・鑑定書など

刀身全体と細部

全体をみることで、作品の印象を捉えます。また細部をみて出来栄えをさらに検討します。

在銘であれば、この茎部分に銘があり真贋などの重要な手がかりとなります。

拵だけでも優れた工芸作品である場合があるため、どのような装飾があるかなどを確認します。

鞘書

白鞘に文字が書いてある場合があります。この鞘書は鑑定書のような役割を果たすこともあるので査定にとって重要な評価要素となります。

状態が分かる画像

顕著に状態が悪い部分や疑わしい部分に関してはできるだけ拡大した画像が望ましいです。画像からしかみることができないので、場合によってはただの影なのか錆なのか判断が難しいこともあります。

登録証

刀剣の売買に関しては必須のため、登録証の有無、記載の内容に関しては確認が必要です。

認定書・鑑定書など

認定書や鑑定書に関しては、効力のある場合と無い場合とがありますが、その判断も含めて付属の資料等があれば、それも査定の際の重要な判断材料となります。

古銭の撮影ポイント

必須の撮影箇所4つ(一円銀貨を例に)
  1. 全体
  2. 細部
  3. 重量計測中の画像
  4. 鑑定書など付属資料

全体

両面の画像が必須です。全体の印象や色味をみるため、2番目の細部をみる上でも全体をまずみてからのほうが判断しやすいことが多いです。また発行年は重要な査定要素になります。

細部

龍の鱗、葉脈、外周を取り囲むギザギザの部分、龍を取り囲む点線、側面のギザギザ部分、これらの箇所から真贋を判定します。

重量計測中の画像

全体の画像と一緒でもかまいませんが、何グラムかが分かるような情報の記載や画像は必須です。もちろん、計測結果をテキストで教えていただいても問題はありませんが、計測中の画像のほうがいいです。

鑑定書など付属資料

無い場合がほとんですが、もし何らかの付属の資料があった場合は、そちらの画像もあると判断がはやいことがあります。

古銭は多種多様なので、個別には異なることもありますが、ここで紹介したポイントは他にも応用できます。参考にはなるでしょう。

まとめ

この記事では、メールやLINEで業者に画像査定を依頼するときに、どんなところを撮ればいいのかについて解説してきました。骨董品や美術品のどこを撮れば良いのか分からないという悩みを解消できたことでしょう。

ジャンルは異なってもある程度似たようなポイントになっています。「作品の全体、細部、箱、状態、付属資料」はほとんどどのジャンルでも共通です。

この撮影ポイントは、言い換えれば買取業者がどんなところを見ているのかという査定のポイントでもあります。もし遺品整理や生前整理で売却したい骨董品や美術品があったときは、撮影ポイントをみてみると自分でも調べられるかもしれません。

もちろん、分からなければ業者に聞いてみるのが一番手軽ではやく分かります。この記事で紹介したようなポイントを踏まえて画像査定を依頼しましょう。

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この記事を書いた人

【経歴】
大学で歴史や哲学を専攻
美術品・骨董品・古美術の業界で20年

【実務】
・一般顧客からの買取(主に出張買取や店舗での買取)
・美術品時価評価書の作成
・業者オークションでの仕入
・ギャラリーでの販売
・小規模の買取店などに美術品の鑑定方法や査定方法の指導
・買取業者・整理業者に対するLINEを使ったリアルタイム査定

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