- 家に昔からある茶碗を売りたい。
- 30〜40年ほど前に集めた絵を売りたい。
- マイセンやヘレンドなどの食器のコレクションを整理したい。
- 父が大切にしていた掛軸がどのぐらいの価値があるか知りたい。
「昔から家にある物を売りたい」、「整理したい」と思っていても、実際にどうやって売ったらいいのか、そもそもどんな売却方法があるのかについては知らない方も多いと思います。
この記事で紹介する3つから自分にあった売却方法を選べば、悩むこと無く整理が進みます。
実際に、わたしが美術品売買の業界にいたときに、お客様の希望に沿った売却方法を提案すると、持物の整理が一気に終わりました。美術品は数点あっただけでもかさばることがあるので、売却して家にスペースができると達成感があるようです。
この記事では、売却方法を買取・アートオークション・フリマアプリと大きく3つに分けて、それぞれの特徴について解説します。
この記事を読むと、売却方法に悩まず自分の持物や遺品などが整理でき、あなたの持物に関する悩みが解決します。
おすすめ売却方法
いろいろな売却の手段があるのは、いいけど結局のところ、どれがおすすめなの? こんな疑問を持つ方もいるでしょう。
そこでまず、個別の方法について解説する前に、おすすめの方法をお伝えすると「買取」です。
なぜ買取がおすすめかというと、売却方法に違いという観点からみたとき、美術品・骨董品ジャンルの多くの品物に単価、サイズ、破損のリスクという問題があるからです。
遺品整理や生前整理をきっかけに売却する際の美術品・骨董品ジャンルの単価は低めの場合が多く、サイズは比較的大きく、とくに陶磁器などの場合に破損のリスクがあります。
また買取がおすすめな最大の理由としては、リスクなく手軽に現在の相場(適正価格)で売却できるからです。
詳しくは「・・・・」のなかで、買取とフリマアプリを比較したので参照してみてください。
おすすめの買取業者
買取を依頼する
売却手段としての買取とは?
買取とは、業者に査定してもらい、その査定金額に問題なければ売却する方法です。
買取の方法としては、主に「自宅に出張・訪問というかたちで来てもらう」、「店舗に持ち込む」、「宅配便で送る」があります。特に骨董品・美術品の場合は、破損の危険性やサイズの問題から訪問買取を選ぶ方が多いです。
近年では社会状況の変化もあり、オンライン(テレビ電話方式)査定・買取をするサービスもありますが、結局のところ荷物は宅配便で送るか、自宅にとりにきてもらうかになります。
実際に自宅に来てもらう前や店舗に持ち込む前に、メールやLINEでの画像査定を受け付けているところも多いので、「いくらぐらいになるか」、「価値がまったく分からないから目安でいいから知りたい」と考えている場合は、まずはメールやLINEで画像を送ってみるのもよいでしょう。
どんな買取業者があるの?という疑問もあるでしょう。
この記事では訪問買取を得意とする3社を紹介します。
福ちゃん
中尾彰・池上しの夫妻がイメージキャラクターをつとめる総合買取の業者。
バイセル
木村佳乃さんがイメージキャラクターをつとめる総合買取の業者。
ザ・ゴールド
梅沢富美男さんがイメージキャラクターの総合買取の業者です。
ここでは簡単な概要のみ紹介しておきます。詳しい情報は「おすすめの買取業者」をみてください。
買取依頼の仕方
買取を依頼する手順は非常に簡単です。
出張買取の場合は、家から出ることも無いですし、荷物を運搬することもありません。
基本的には電話とインターネットで問い合わせて、あとは家で査定してもらうだけです。
万が一、売却後に後悔したとしてもクーリングオフ制度があるので、安心です。
アートオークションに出品する
アートオークションとは、その名のとおり出品される品物が美術品中心の誰でも参加できる公開型のオークションを指します。
日本の代表的なアートオークションハウスを紹介します。
- 毎日オークション
- シンワオークション
- エストウェストオークションズ
- SBIアートオークション
- マレットオークション
毎日オークションは、落札総額、開催数、出品数などで日本一の規模で、最大手と言ってよいでしょう。取扱ジャンルの幅も広く、生前整理や遺品整理などをきっかけに持物を売却したい人にはおすすめのオークションです。
それぞれのオークションハウスの特徴については「美術品の売却方法としてのアートオークション」を参考にしてください。
ただアートオークションで売却する場合の注意点がいくつかあります。
まず毎日オークションのように取扱のジャンルが幅広いといっても、ある程度限度があるということです。売りたいと思った持物を出品できない場合もあります。
作品ジャンル、真贋、予想落札額など、オークション会社によってさまざまな出品基準があるからです。
また、オークション出品の手数料が高く感じられる場合があります。
毎日オークションの場合を例とすると、出品するためには、会員登録をして出品料無料で出品するか、会員にならずにその都度出品料を払って出品するかのどちらかになります。
会員登録にはさまざまなプランがありますが、茶道具、掛軸、絵画、洋食器などいろいろなジャンルの品物を売却したいという方の場合で、「1年間総合会員(全ジャンル)」の会員になったとすると、年会費として35,000円かかります。
オークションで継続的に売り買いをする場合には、会員になったほうがお得ですが、整理のために一度だけ出品できればいいという場合は会員にならなくても良いでしょう。
非会員の場合は、
10点以内 5,000円
11点以上20点まで 10,000円
21点以上 20,000円
が出品料としてかかります。
さらに落札価格に対して手数料がかかります。
落札価格が
70,000円未満は、一律11,000円
70,000円以上500,000円未満は、16.5%
500,000円以上は、11%
となります。
たとえば50,000円の落札価格だった場合は、39,000円
落札価格300,000円の場合は、250,500円
もし5万円と30万円の作品を出品したとすると
出品料5,000円
手数料が50,000円の落札に対して11,000円、300,000円の落札に対して49,500円
がかかるので
手元に入金される金額は、284,500円となります。
入金はオークションの終了から約20日後です。
上記のような事例から分かるように、出品する作品はある程度の単価を見込めるものがおすすめです。
アートオークションで売却するメリット・デメリット
メリット
メリットとしては、なんといっても誰でも参加できるオークションなので価格の透明性が高いという点があります。
落札価格が高いか、安いかはそれぞれの感覚によってかわりますが、現在の相場がはっきりと分かるので納得感のある取引となります。
生前整理や遺品整理をきっかけに売却する場合、わたしの経験的に購入時期が80年代から2000年頃の場合が多いです。その場合、当時の日本経済の状況から数百万円で購入している作品でも、オークションで数万円から数十万円の落札になることがほとんどです。
とくにご自身で購入したものの場合は、安いと感じられるのですが、とはいえ今の相場をオークションという形でみることができて納得したというご意見をいただくこともあります。
また、オークションに出品したときにそれをある種のエンターテインメントとして楽しめるのも魅力ではないかと思います。自分の所有していた茶道具や絵画がカタログにのって、会場に展示されている風景をみると非常にわくわくします。
デメリット
一方でデメリットもあります。
デメリットとしては、手数料などの出品のための諸経費です。
ある程度単価が見込める作品でないと落札手数料がかなりの金額になってしまいます。
事例でみたような毎日オークションで5万円の落札だった場合は、一律11,000円となるので、22%となりかなりの割合をしめてきます。
またオークション出品のためにオークション会社に作品を預けてから、実際の開催日までに3~4ヶ月ほどかかります。これはオークションのスケジュールによって変わりますが、3ヶ月ほどは見ておいた方がよいです。最初の問合せから入金までの期間を考えると4~6ヶ月ほどかかる計算になります。
さらに不落札だった場合は、作品が返却となるので、数ヶ月待ったにも関わらず売却できなかったということにもなります。そのため換金を急いでいる場合、アートオークションに出品するのはデメリットがあると言えます。
もちろん、オークション会社によっては買取サービスがあるので、相談してみるのも良いでしょう。
フリマアプリに出品する
最近はフリマアプリを利用する方がかなり増え、リユース業界の全体の取引量の増加を牽引している存在です。
代表的なフリマアプリを紹介します。
- メルカリ
- PayPayフリマ
- ラクマ
フリマではありませんが、ヤフオクをいれてもいいでしょう。フリマとは違ってオークション形式(競り上がり形式)で金額が決まりますが、個人でも手軽に売買できるという点ではかなり近いと言えます。
フリマアプリとは
スマートフォン(またはタブレット)にダウンロードして個人間で品物の売買を行なえるアプリケーションです。
アカウント登録をしてPCのブラウザでも売買は可能なので、必ずしもアプリとは言えませんが、ユーザーの多くはスマホアプリで利用しているCtoC売買のプラットフォームです。
招待コード【ZTKVNU】を入れると500円分のポイントがもらえるのでご利用ください。
売りたい物の写真を撮り、説明文をつけ、売却希望金額の設定を行い、出品します。
出品できるもののジャンルや金額帯の幅は広く、メルカリであれば最低300円~出品可能です。
一部、出品が禁止されている種類もありますが、基本的に常識の範囲内で考えておけばほぼ問題なく出品できます。
とはいえ、禁止されている品物の種類のなかでも意外と禁止されていることが知られていないものもあるので、一部紹介します。
現金、金券類、カード類
自分では古い紙幣(古銭)かと思っても、現行の紙幣・硬貨という場合があります。この場合は出品禁止に該当します。またギフト券やチャージ済のプリペイドカードも禁止されています。例えばチャージ済のスターバックスカードは出品禁止です。
買取とフリマアプリの比較については「【遺品整理の方法】買取業者かフリマか 骨董品のおすすめ売却方法とは」を参照してください。
メルカリのIR情報からみると、エンタメホビー25%、レディース衣料19%、メンズ衣料16%、家電10%とこれらのカテゴリーで7割を占めています。その他はコスメ美容、スポーツレジャー、インテリア、ベビーキッズ、その他と続きます。
こうした状況をみるとフリマアプリでの売却に適しているのは、エンタメ関連、ファッション関連などであると言えます。一方で美術品や骨董品は取扱の量が少ないので、美術品の販売プラットフォームとして考えると弱さがあります。
換金のスピードは、撮影・説明文など出品用のデータ作成と出品開始時点から実際の売却完了までが一定ではないので、個々の出品事情によって変わります。
買取の場合は、早ければ査定後に即現金化が可能です。
オークションの場合は、出品対象物をオークション会社に預けてから入金までには4~6ヶ月ほどかかります。
フリマアプリで早く売ろうと思えば、売れやすい出品情報や画像、そしてなによりも売れやすい金額帯(相場)で出品しなければ売れません。
プリマアプリの場合は、売上が確定してもすぐに現金になるわけではありません。一度アプリ内に売上金としてプールされます。メルペイというコード決済で使用できるので、メルペイコード決済に対応した店舗やネットストアの場合は現金同様に支払いに使えます。
コード決済は使用せず、現金化する場合は、アプリ内で振込申請をします。「振り込みスケジュール」に基づいて自分の登録した銀行口座に振り込まれます。毎回200円の振込手数料がかかります。
振込申請をした時間帯によって変わりますが、ゆうちょ銀行以外の場合は申請日の翌日~翌々日に振り込まれます。ゆうちょ銀行の場合は申請日から約3~4日かかりますが、追加の手数料200円で「お急ぎ振込」というサービスが使えます。これを使うとゆうちょ銀行でもゆうちょ銀行以外の場合と同じ振込スケジュールが適用されます。
フリマアプリの最大のメリットは自分の好きな金額を設定できる点です。
一方で、メルカリの場合10%の手数料が引かれます。
さらにフリマアプリの場合は送料込みでの値段がほとんどなので、送料も出品者側の負担になります。
10,000円で売却した場合は、手数料1,000円と送料負担分が実質手数料のような形で引かれます。サイズが大きな物の場合は1,000円ほどは送料がかかるので、できるだけ小さな品物のほうがフリマアプリに適していると言えるでしょう。その意味では、かさばる品物が多い美術品の出品の場合は、梱包作業の労力と送料負担分がデメリットとなります。
まとめ:美術品の売却方法には買取・オークションハウス・フリマアプリがある
この記事では、買取・アートオークション・フリマアプリのそれぞれの特徴について解説してきました。
自分がどれぐらいの期間をかけて整理したいのか、最低いくらで売りたいのか、手間がかかってもいいのか…など、自分でどうしたいかという基準を持つと売却手段の選択をしやすくなります。
出来るだけはやく整理したい
手間はかけたくない
荷物を運びたくない
個人間のトラブルは面倒
現在の市場価格で売却したい
わたしが古美術の買取をしていた経験から言うと、以上のような希望を持っている方がかなりいらっしゃいました。そのため、この記事では、「買取サービス」をおすすめしています。
こんな場合はどうしたらいいだろう?これはいくらぐらいの市場価値があるのかな?と迷ったら、整理や売却に関して無料の相談窓口からお問い合わせください。
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