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【骨董買取のプロが伝授】掛軸を高く売る方法と買取業者の選び方|作家別の買取相場表付

実家や自宅の整理、あるいは遺品を整理をしていたら、古い掛軸があったから売却したい(処分したい)という方が増えています。

祖父母のもの、両親のもの、あるいは自分で購入した掛軸を売却したい、こんな場合にできれば高く売却したいものです。

ただ実際に売却を検討したときにこんな疑問や悩みがでてきます。

どうすれば高く売れるのか?

どんな業者に依頼すれば良いのか?

相場はどのくらいなのか?

そこで、この記事ではこのような点を解決します。

この記事を読めば、迷うこと無く掛軸を手軽に高く売却することができるでしょう。

目次

掛軸を手軽に高く売る方法

手軽に売る方法

できるだけ手間をかけずに売却する方法として、おすすめなのは出張買取です。

では、なぜ出張買取がおすすめなのかについて解説します。

出張買取がおすすめなのは、まず荷物を移動する必要がないという点です。特に箱付きの掛軸が10点以上ある場合は荷物を動かすだけでも一苦労です。

また、掛軸は描かれている絵や書を確認するのも実は面倒な作業です。とくに扱いに慣れていないと時間がかかります。

掛軸がどんなものなのかを確認するには以下のような一連の工程が必要です。

掛軸を箱から出す。
巻いてある状態から広げる。
作品を見る。
巻いてある状態に戻す。
箱に戻す。

たとえば、この作業を5点繰り返すだけでも案外時間がかかります。

その点、出張買取では査定員が査定する際にこの作業をしてくれますし、中の作品が気になれば査定中に一緒にみせてもらえます。

さらに、もし売却することが決まれば、そのまま掛軸の梱包や運搬を任せることが可能です。

もちろん、自宅に人が来るのは嫌だなと感じる方もいるでしょうから、その場合は店舗に持ち込んだり、宅配での買取などを検討しても良いでしょう。

ただし、「手間をかけないで売却する」という点では出張買取がおすすめです。

高く売る方法

出張買取では面倒な作業もなく売却できるとしても、実際の買取価格はどうなのか気になるところです。

そこで買取業者に掛軸を売るときに、高く売るコツを解説します。

高く売るコツは以下のポイントです。

相見積もりをする
付属品はそろえる
修復等はしない
まとめて売る
キャンペーンを利用する

相見積もりをする

掛軸の買取相場が分からないと、実際の査定金額が高いのか安いのかの判断ができません。そのため、1〜2社程度、できれば2〜3社の見積もりを聞いたほうがいいでしょう。ただし、全体の量や品物にもよるので、画像査定などを利用しながら判断してください。

もし画像の査定でも数百万という金額を提示されるような品物の場合は、2〜3社の値段を聞いても良いでしょう。逆におまとめでの値段提示や1点数万円程度の場合は1〜2社で決めてしまってもそれほど金額は大きく変動しません。

業者に問い合わせる前に、個人情報不要の無料画像査定をご利用いただければ、わたしがある程度相場や買取価格の予想をお答えします。

付属品はそろえる

掛軸の付属品としては、箱、鑑定書、その他の資料などです。

箱はどこかにあったはずだが探すのが面倒だという場合もあるかもしれませんが、そこは探してください。特に日本の掛軸の場合は箱が非常に重要になることがあります。

修復はしない

基本的には、現状のままで査定に出しましょう。

例えば

シミがあると値段が下がるから修復しよう
表具が破れているから直そう

こういった修復作業はおすすめしません。

なぜなら、掛軸の修復費用は実はかなりの金額になる場合があり、買取価格にたいして割にあわない場合がほとんどだからです。

掛軸だけではなく、すべてのジャンルに言えるポイントですが、修復はせずにそのままの状態で売却することが高く売るコツです。

まとめて売る

もちろん、思い入れがあったり、気に入った図柄があったりと、手元に残しておく掛軸があってもかまいません。ただし次にふたつの点からできるだけまとめて売却したほうが、買取業者の金額は上がりやすいです。

一回の訪問でできるだけたくさん買取したいというのが業者の本音です。そのため、まとまった数があれば、その分だけ通常よりも買取金額を上乗せ可能です。

また掛軸には双幅、三幅対など、セットになっている作品があります。

もし片方のみとなるとかなり金額が落ちるので、片方だけ売り忘れた、あとからセットのうちのひとつだけ出てきたということがないように、できるだけまとめて売ることをおすすめします。

価格交渉+キャンペーンを利用する

買取キャンペーンを行っている業者の場合は、積極的にキャンペーンを利用して価格交渉をしましょう。

たとえばバイセルのキャンペーン例をみてみましょう。

6月は「抽選で買取金額5倍」になります。

毎月様々なキャンペーンを開催していますが、お得なキャンペーンが終了する前に早めに申し込みをしておきましょう。

その他、各社キャンペーンを開催していなくても、価格交渉はしたほうが当然高くなる可能性があります。

買取業者の選び方

売却の方法は出張買取にするとしても、どのような業者を選べばいいのか、迷いますよね。

そこで買取業者の選び方を解説します。

特にはじめて買取を利用する場合は以下の基準で選んでみてください。

大手の買取業者
出張・査定・キャンセルが無料
根拠のある値段提示ができる

大手の買取業者

上場している、みんなが利用している・・・など、大手のサービスは安心感があるので一度は利用してみても良いでしょう。もちろん、希望や想像と異なったサービスだった場合は、売却を断ればいいだけです。

たとえば、全国的には「バイセル」、「ザ・ゴールド」、関西圏の方にとくにおすすめなのが「うるう」です。

特にはじめて利用するという場合、業者がたくさんあって迷うというときは、とりあえずある程度の規模がある会社に依頼してみると良いでしょう。

出張・査定・キャンセルが無料

出張・査定するだけで料金がかかってしまうと相見積もりがやりにくいので、無料で利用できる買取サービスを選びましょう。

ほとんどの買取業者が無料でサービスを提供していますが、事前に出張やキャンセルで料金が発生しないかを確認しておくと確実です。

根拠のある値段提示ができる

掛軸などの骨董品・美術品の査定には、一般的にはかなりの経験が必要と思われています。

しかし、現在では取引履歴がデータ化されています。つまり、どういった品物が、どこで、いくらで取引されたのかという履歴をみれば、何十年と積み重ねなくともそのデーターベースの力をかりて、最新の相場を判断することが可能です。

取引履歴に関しては、自社のデータベースを持っている場合と外部のデーターベースがあります。

外部に公開されている取引履歴のデータに関しては「美術品の相場を知る3つの方法:買取業者の査定、オークション・データベース、書籍」で紹介しています。

たとえば、バイセルの査定システムの例をみてみましょう。

以下は、実際にバイセルの決算情報に掲載されていた図です。

バイセルのデータを活用した査定システム
バイセルのデータを活用した査定システムの詳細

2022年12月期 第1四半期決算説明資料

実際バイセルやゴールドなどを利用すると、比較的若手の査定員が訪問してくるかもしれません。これは日程や地域によって異なりますが、全体的に想像よりも若い可能性があります。

ここで「本当に査定できるの?」という疑問が浮かびます。

若手の査定員でも研修・教育によって基本的な査定はできますが、掛軸の一部には真贋や金額の判断に悩む品物があります。

そこで出てくるのが、バイセルの専門査定チームです。専門チームが画像で判断し、最新の取引履歴データから金額を算出します。

こうして、大手のようにしっかりとした査定チームのある企業は根拠のある値段の提示が可能です。仮に結果として期待を下回った場合でも、それが今の相場だと納得できます。

掛軸の買取相場

日本の掛軸の相場

狩野派、円山派、土佐派、南画など、伝統的に掛軸として流通してきた日本の絵画はこの30年ほどの間で金額がほぼないに等しいほどの評価となってしまいました。

その大きな理由としては、3つ挙げることができます。

1つ目は長く続くデフレーションによる物価の下落です。骨董品や美術品も当然のことながら、この物価下落の流れのなかにあります。

2つ目に住宅環境の変化も大きな理由と考えられています。そもそも掛軸は床の間という日本家屋のなかの一室に飾られていました。近年のマンションでは、そもそも床の間がなく、掛軸を飾るという文化自体が消えつつあります。

3つ目に趣味趣向の変化です。伝統的な日本絵画の山水画や花鳥画などは、今のトレンドではなくなってしまったということです。

こうした背景から、日本の掛軸は全般的に価格が下がっています。

中国の掛軸

一方で、相場が上がっている掛軸は、中国絵画です。

一時期よりはかなり落ち着きましたが、それでも斎白石や呉昌碩など近代の中国画はまだまだ市場では人気の作家です。

そもそも、茶道具と同様、日本では古くから掛軸においても中国絵画が高く評価されていました。そのため、真贋はおいておくとしても、中国絵画の真作や写しが日本国内に大量に残されています。

宮武慶之の『茶の掛物』には以下のような記述があります。

初期茶の湯文化で掛物として用いられた絵画は、ほとんどが唐絵であって、日本人画家の作品は極めて少ない。つまり唐物の茶入れ、中国禅僧の墨蹟などと同様に、絵画においても、中国の作品を嗜好していたのだった。

宮武慶之『茶の掛物』淡交社、2017年、39頁。

中国の経済成長とともに、デフレの日本とは逆に中国では美術品への需要も高く、日本に残された中国美術の相場が上がっています。

掛軸の買取相場表

以下のリストはあくまで参考と考えてください。

なぜなら同じ作家の作品でも、図柄、作品の質、技法、サイズ、来歴、状態などで査定金額は大きく変わるからです。

一番分かりやすい「サイズ」というポイントを例に考えてみましょう。たとえば色紙、扇面、短冊のような小品の場合は、同作家の作品群のなかでも金額は低めになります。

現状、掛軸はどういった値段なのか、その目安として役立てて下さい。

個別に「この掛軸はどうなんだろう?」という疑問に関してはこちらの無料画像査定からご連絡ください。

参考画像作者名相場(小品…等の場合)相場(秀作…等の場合)
安田靫彦15〜20万円100〜200万円
前田青邨20〜30万円100〜300万円

杉山寧
20〜30万円100〜300万円
橋本雅邦5〜15万円30〜50万円
川合玉堂5〜10万円100〜200万円
伊東深水30〜40万円100〜200万円
掛軸相場表

まとめ

この記事では、遺品整理、生前整理、自宅・実家の整理をきっかけに掛軸の売却を考えたときにどうしたら良いのか?、こんな疑問や悩みを簡単に解決できる方法を解説しました。

アルト

高く売る方法と業者の選び方のポイントをもう一度まとめます。

手軽に、高く売る方法

出張買取を利用する
相見積もりをする
付属品はそろえる
修復等はしない
まとめて売る
キャンペーンを利用する

業者の選び方

大手の買取業者
出張・査定・キャンセルが無料
根拠のある値段提示ができる

依頼する業者に悩んだら、バイセル、ゴールド、うるうの中から選んでみましょう。その他の業者も気になる方は、こちらの「おすすめ買取業者」からも探してみてください。

スクロールできます
商品特徴・おすすめ対象者料金評価

バイセル
「早く、高く、出張買取」がモットー。

こんな方におすすめ
 親から譲り受けた物が物置にしまったまま。
 売りたいものが大量にあって持ち運ぶのが面倒。
 生前整理や遺品整理をきっかけに売りたいものがある。
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 ザ・ゴールド
「顔が見える出張買取」で全国で幅広い層から支持

こんな方におすすめ
 目の前で一点一点、丁寧に査定してほしい。
 目利きがにみてほしい。
 色々な物を片付けたい。
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うるう
「関西地区に特化。きめ細やかで丁寧な買取」

こんな方におすすめ
 骨董品や美術品だけでなく着物もみてほしい。
 豊富な流通ルートをもった業者に頼みたい。
 関西に住んでいて出張買取してほしい。
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この記事を書いた人

【経歴】
大学で歴史や哲学を専攻
美術品・骨董品・古美術の業界で20年

【実務】
・一般顧客からの買取(主に出張買取や店舗での買取)
・美術品時価評価書の作成
・業者オークションでの仕入
・ギャラリーでの販売
・小規模の買取店などに美術品の鑑定方法や査定方法の指導
・買取業者・整理業者に対するLINEを使ったリアルタイム査定

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