遺品整理や生前整理をきっかけに、ご両親やご自身の茶道具を売却したという方は多いです。
処分するときに、「できれば高く売りたい」と考えるのは当たり前のことです。
ただし売却したい、手放したいと思っても次のような疑問や悩みが生まれてきます。
実際にいくらぐらいになるのか想像できない
どんな業者に依頼すればいいのか分からない
どうすれば高く売れるのか分からない
そこでこの記事では、茶道具の売却しようと思ったときに、「高く売るコツ」や「業者の選び方」を解説します。
この記事を読めば、茶道具を手軽に高く売却する方法が分かります。
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茶道具を高く売る方法
相見積もり
まず金額的に納得のいく売却をする方法を紹介します。
複数の業者に査定額の見積もりをもらい、買取価格の相場を自分で確かめた上で売却しましょう。
購入時の金額が分かっている場合でも、一度買取査定を受けないと現状の市場価値が分かりません。
そのため、一つの業者ではなく、複数の業者に見てもらって中古市場での相場を確認することをおすすめします。
2〜3社に見てもらって、結局それほど値段が変わらない場合もありますし、大きく変わる場合もあります。
なぜ業者によって金額が異なるのかはいくつか理由があります。
買取金額・査定金額が業者によって異なる主な理由は以下のポイントです。
査定・鑑定の力の有無
業者の売却方法
顧客注文の有無
査定・鑑定の力の有無
そもそも査定力や鑑定力といった物を見定める能力がなければ適切な金額を提示することはできません。たとえば、家電など古美術以外の業者や廃棄物処分業者がはじめたような美術品買取業者の場合は、査定金額が安くでる傾向があります。経験や情報量が少ないので、査定の能力が乏しいからです。
業者の売却方法
業者は買取したあとに、再販売するわけですが、その販売方法によって値段が変わります。多様な販売ルートを持っていれば、選択肢が広がるので販売に困りません。現在では海外への販売ルートを持っている業者のほうが金額的には強いでしょう。逆にネット販売しかしない、国内の業者オークションでしか売らない・・・など販売方法が限定的である場合は、安くなりがちです。
顧客注文の有無
基本的には古美術品でもある程度の相場があるので、相場での金額提示が普通です。ただし珍しい物やタイミングによてt、業者の抱えている顧客から注文を受け付けている場合があります。そういった場合は、売却先と売却金額がほぼ決まっているため、他社よりも高額になるというケースがあります。
ネットオークションやフリマアプリで茶道具は売れるのか?
売れるかどうかで言えば、売れます。ただし個人的にはあまりおすすめしません。
詳しくは「骨董品・美術品の売却方法3選:買取・アートオークション・フリマアプリ」を参照してください。
ここで結論だけ完結に言えば、安く売ってしまうリスクがあり、トラブルにも自分で対処しなくてはいけないからです。金銭的にも損をすることがある上に、トラブル処理は面倒なので、買取業者に売却したほうが、手軽でかつ面倒なこともない上に、相場できちんと売却可能です。
茶道具はまとめて売る
茶道具にはいくつか種類があります。
茶碗、水指、建水、風炉釜、炉縁、茶杓、茶掛、香合、蓋置・・・などです。
単純に美術品として茶碗や棗などを収集するという方もいらっしゃいますが、茶道具はやはり茶会での使用を前提にしています。そのため、単品で売却するというよりは、できるかぎりまとめて茶道具のセットを売却するほうが高い金額になります。また、買取業者の本音としては、一回の取引量が多いほうが当然仕入の効率があがるので、金額も上げやすくなります。
買取業者の選び方
無料の出張買取(出張査定)の業者
査定力・鑑定力のある業者
販路の広い業者
査定無料・出張査定無料の業者がほとんどですが、稀に手数料や出張料をとる業者もあるかもしれません。
取引の条件を確認し、無料査定、無料出張買取のサービスを提供している業者を選びましょう。
特に人気の作家や時代物の茶道具は偽物が存在します。茶道具のなかでも楽吉左衛門は偽物の多い作家ですが、鑑定力の無い業者の場合は、本物か偽物か判定できないので、損をしない安い金額を提示します。
販路が多いほうが当然高く売ることができるので、そういった業者をみつける必要があります。とくに中国やアメリカへの販路がある業者の場合、販売金額が高いので、買取金額にも反映可能になります。
茶道具の査定で見ているポイント
作者名
作品
時代
箱・箱書・書付
状態
作者名
「作者の市場での評価が高いかどうか」という点は値段を大きく左右します。たとえば、分かりやすい例で言えば千家十職、帝室技芸員、人間国宝の作家の作品です。それ以外にも大樋長左衛門、杉田祥平、真葛香斎など、茶道具制作において高く評価されている作家がいるので、査定の際は必ず作者名を確認します。
作品
同じ作者でも作品の出来栄えが大きく異なる場合があります。全体的な傾向でいえば、派手で凝ったつくりの作品のほうが金額的には高値になりやすいでしょう。
時代
作家名の無い、時代のある茶道具の場合もあります。その場合はいつ頃の作品なのか?、日本のものか?、中国から輸入したものなのか?…などを考慮して金額を算出します。
箱・箱書・書付
茶道具において箱はかなり重要なものなので、単なる付属品ではなく、もはや作品と一体となって評価されます。作家物であれば共箱なのか、箱書はあるのか、家元などの書付はあるのかといった点を確認します。同じ作者の同じような作品でも、書付の人物によって金額がかわることもしばしばで、箱の確認は非常に重要です。
状態
どれだけ評価の高い作家で、出来栄えの優れた作品であっても状態が悪かったり、修復の跡があったりする場合は、金額は下がります。その意味で、状態はしっかりとみて査定します。
茶道具相場の下落
売却のときに、気をつけないといけないのは、現在非常に茶道具の相場が落ちているということです。
様々な理由がありますが、大きく3つあると思っています。
デフレ
茶道文化の衰退
生活様式の転換
一つは長く続く日本のデフレーションです。デフレによって当然ですが、物の値段が下がり続けています。茶道具も例外ではありません。
デフレによる不景気が原因で茶道の文化、とくに習い事(稽古)としての茶道の文化が消えようとしているのではないかと思います。これが二つ目です。茶道人口が減少すれば、当然ですが、道具の売れ行きも悪くなり、金額を下げざるを得ません。
最後に3つ目は疫病の流行により、茶会自体の開催がなくなったため、道具の使用機会が減ったことです。使用しないので、新規の購入も買い替えもなくなり、売れ行きが悪くなりました。社会的に生活様式が変化し、茶会の必要性自体にも変化があらわれました。
これらの理由で茶道具の相場が近年大きく下落しているということを念頭においたほうがいいでしょう。とくに昔に高く購入した茶道具でも現在では上記の理由でかなり金額的には下がっているので、予め覚悟をもって査定金額を聞いた方がいいです。
茶道具の買取相場
知識が無くても相場が分かるポイント
時代のある茶道具
評価の高い作家
共箱などが揃っている
唐物・中国から輸入した茶道具
稽古用・練習用の道具
紙箱の道具
状態の悪い道具
欠品のある道具
作家物の参考相場
同じ作家による作品でも制作時期、技法、出来栄え、書付、素材、状態など、様々な条件で金額が上下します。以下の表はあくまで参考と考えてください。
個別に気になる品物の相場を知りたいという方は、こちらの「無料画像査定」からご依頼いただければ、概算で相場をお答えします。
画像 | 作家名・作品 | 相場 |
---|---|---|
十二代 楽吉左衛門(弘入) 赤茶碗 | 15〜20万円 | |
鈴木蔵 志野茶碗 | 50〜120万円 | |
永楽善五郎 茶碗 | 4〜7万円 | |
即中斎 自作茶杓 黒田正玄下削 | 4〜8万円 | |
高橋敬典 釜 | 8,000〜2万円 | |
中川浄益 建水 | 3〜5万円 | |
川端近左 蒔絵棗 | 3〜10万円 | |
一后一兆 蒔絵棗 | 3〜15万円 |
まとめ
茶道具を高く売るための方法をまとめました。
ポイントをもう一度まとめます。
相見積もりする
まとめて売る
出張買取が手軽でおすすめ
さらに買取業者の選び方のポイントです。
無料で出張買取のサービスを提供している
査定力・鑑定力があるところ
販路が多様なところ
査定のときに茶道具のどんなところを見ているのかや最近の茶道具の相場についても解説しました。
正直に言うと、茶道具の相場はかなり下落しています。もちろん思い入れのある道具、大切にしたい道具は手元に残しておくのも良いでしょう。
そうでない道具に関しては早めの売却をおすすめします。そんな時はこの記事で紹介した売却方法、業者の選び方のポイントを参考にしてください。
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